ナエ 土屋染色工房 NAE surface printing factory




坂田峰子 染色展

z会期 平成14年(2002)2月4日(月)~9日(土)  
午前10:30~午後6:30         
会場 千疋屋ギャラリー  服地、ウールスカーフなど約20点

今回は素材をウールシルクとしその感触に合った暖かい風合いのある色、紋様を 
造形してみました。人間の視覚に入ってくる色や形は、その表層や感触をも含めて
からだ全体で感じていると思う。                      
生活の中で感じる陽の光り、陽のぬくもり、風や雨の音、雲の色。       
布を通してそれらを表現したいと思います。 
個展

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つめたい朝もやの中 人家から煮炊きの細い煙がゆっくりと上がる
山の朝は静かに明ける
ラジオから雑音と一緒に音楽が流れはじめる
大きな鉈が薪を割る音 筋張ったにわとりの鳴き声
何百年も前から同じことの繰り返し 
風景の中に音や匂いがある 
陽が昇る 
髪や皮膚を差すように陽射しが強く痛い 
布で覆っていた方がここちよい 
皮膚を守る布 巻きつける布 身を飾る布 
その布を織る為に紡ぐ糸 
糸をつくる為に育てる植物 
女は川で布を洗う 男は布を広げて乾かす 
繰り返しの日がゆったりと続いてゆく 

旅のノートより ヒマラヤ・チュクン村にて
                        坂田 峰子 
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