ナエ 土屋染色工房 NAE surface printing factory

 

染色の準備

用具と材料

・計量カップ(1リットルビーカー,500ccガラスビーカー,20ccメスシリンダー等)
・ボール  (染料の調合に使う。10~15cm位の物。ステンレスがよい)
・タンク  (直径33cm程度のもの。容量20リットル位。
       アルミは腐食するため使用は不可)
・秤    (上皿天秤,料理用台ばかり(布・糊等を量る))
・染料・薬品(シリアス染料・ナフトール染料・酸性染料・反応染料・etc)
・器材   (計量スプーン・温度計・型付けヘラ・しゃもじ)
・型付け糊 (目糊,蒸し糊,糸目糊,ねば糊等,使用目的に応じて使い分ける)
・生地   (綿・絹・ウール・レーヨン・麻)
・差し刷毛 (1~3分,ぼたん刷毛等)
・引き刷毛 (3~4寸)
・その他  (バケツ,ゴムベラ,小皿等)


布の準備

・布の糊抜きと精練
 1か2,どちらかの方法を選んでください。
 布はあらかじめ水の中に入れ全体を濡らしたものを脱水してから始めます。

1:布の20~30倍の重さのお湯で20~30分煮る。
 あるいは,2~3%のソーダ灰か,糊抜剤を入れた60度~70度のお湯に3時間ほど
 漬けておく。その後、脱水,空気中でよく冷ましてから,十分に水洗いします。

2:布の20~30倍の重さの水に,重さの3%の苛性ソーダを加える。
 タンクを火にかけ80度位になってから布を入れ、沸騰後、中火にして30分くらい煮る。
 脱水後,空気中でよく冷ましてから,十分に水洗いします。


*染色材料店で「精練済み」の材料を購入の場合は精練は省略して構いません。
 また、少し手を抜きたい場合には洗濯洗剤で洗濯しても大丈夫です。布の汚れ、油分を落とす事が出来れば良い訳です。

型紙つくり

道具と材料:
・渋紙   (型紙として使います。2~3枚の和紙を柿渋で貼り合わせた物です。厚口,
       中口,薄口,大きさでは,八丁判,九丁判,手中判,等がある)
    *現在では、代用型紙としてST型紙が使用されています。透明感もあるので柄を写す時に楽です。
     水に強く伸び縮みせず、価格が渋紙よりやすく手に入ります。
・紗    (絹糸のメッシュで、細目、荒目がある)
・ラッカー (紗と型紙の接着剤。漆やカシューを本来は使うが,乾燥が遅いためすぐに
       使用できない)
・シンナー (ラッカーのうすめ液,ラッカーシンナーを使用)
・刷毛   (4cm~5cmのペンキ用などを使用)
・新聞紙  (ラッカーを塗る時の下敷きに使用)
・カーボン紙(図案を渋紙に写す)
・その他  (クレヨン,水彩絵具,墨など図案の筆記具)

型紙の基礎

・地白型   地が白生地のままで,模様の部分が染まる。
・地染型   地が染まり,模様が白で表現される。
・括りの型  地が白生地のままで,模様の輪郭が染まる。
・線彫りの型 地が染まり,模様の輪郭が白で表現される。
・紗張り型  繋ぎを取り除いた,地白型。

地染型   地白型

     括りの型

              

地白型、線彫りの線の中,括りの型の場合,模様をつないでいる細い所を切ってしまうと
模様がとれてしまう。そこで,「繋ぎ」を使ってとれないようにする。この繋ぎを模様の
一部として上手く利用することで型染らしさがでてくる。


型彫りの方法

下絵:
下絵は、実際の染上がりの大きさに描く。型染は,型紙を上下左右に繰り返すことで,
大きな模様になる。ですから,図案をデザインする時に,そのことを十分に理解して
取りかかってください。

・図案を描く。(自分の発想を自由に)
・下絵を渋紙にのせ,カーボンを敷いて,渋紙に写しとる。
・細かい部分や,中心となる部分を先に彫り進む。
・角の部分は1mmほど余分に切るとシャープになる。
・縁場に「星」を彫る。型を合わせる印しを星と言う。

 


 


紗張りの仕方

・紗を型紙と同じ大きさに裁つ。
・新聞紙を敷いた上に,型紙を乗せ,紗を縦横真っすぐに置く。
・ラッカー:1,シンナー:1,の割合で薄めたものを塗っていく。
・紗がたるんだり,紗の目が曲がらないようにする。
・紗の目が詰まったら,シンナーを少しつけ刷毛を軽く動かす。
・完全に乾いたら,型を裏返して「繋ぎ」を切る。

 

 


糊の作り方

用具と材料:
・糯粉      糯米を粉状にしたもの。防染力と粘着力をもつ。
・糠       小紋糠を使う。糊に適度な厚みをもたせ,糯粉の粘度を押さえる。
・塩       湿気を吸い,糊のひびわれを防ぐ。
・消石灰     糊に弾力を与え,防腐剤の役目もはたす。
・グリセリン   塩の作用と同じ。(塩を入れた場合は量をひかえる)

作り方:
・糯粉2:糠3の割合  
    例=糯粉400g:糠600g+塩20g~30g(季節により加減する)
・よくふるいにかけ,ボールに入れてよく混ぜる。
・水を小量ずつ加え,耳たぶの固さ位になるまでよく練る。
・こぶしの大きさ位を,ドーナツ型にととのえる。
・蒸し器に布をひろげて敷き,蒸気がよく通るように,すきまを空けて糊を並べる。
・50~60分,蒸す。蒸し上がったら,布ごと取り出し,ボールに移す。
・糊の熱いうちに,すりこ木で手早くつぶす。お湯を少しづつ加え適度な固さにのばす。

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